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第33回日本医学看護学教育学会学術学会市民公開講座「愛知県豊川下流域に生きている伝統的治水システム『霞堤』」

記事の掲載日: 2023年01月15日

チラシ表
チラシ表
チラシ裏
チラシ裏

近年、線状降水帯による大雨によって毎年のように甚大な被害が引き起こされています。
「防災教育と災害伝承の日」である3月11日に、豊川下流域における「霞堤(かすみてい)」の伝統的治水システムを活かしたまちづくりについて考えてみませんか。皆様のご参加をお待ちしています。

第33回日本医学看護学教育学会学術学会公式サイト https://jamne2023.jp/


【講師コメント】

愛知県東部東三河を流下する最大の河川である豊川(とよがわ、長さ77キロ、流域面積724平方キロ)は、河川堤防が完全に閉じられていない不連続堤が存続している河川として希少な存在です。「ええっ、堤防が切れている? まじ?」、とびっくりする人も多いでしょう。江戸時代はもちろん、明治時代にもこのような河川は全国で見られたのですが、明治後半以降、全国の主な河川は次々と直線化と連続堤防化され、豊川のような不連続堤防はわずかになりました。
では、豊川ではなぜ不連続堤が今日でも存続しているのでしょうか。それは豊川が非常に特徴的な河川であるからです。例えば降水量が少なく、時に干上がってしまう最小流量に対して、豪雨で大洪水をもたらす最大流量の時との差が大きく、その比を河況係数といいますが、その値がなんと6,000以上を超えるほどで、その値は、わが国の河川ではトップレベルにあります。鉄砲水も頻発し、ダム建設をしても連続堤を作れないのです。その背景には、他の河川と異なる流域の地形地質条件、気候条件、山間の林野利用条件などがあります。

しかし、豊川のもたらす肥沃な土壌は、流域に中世以来農耕地開発や集落を生み出し、このような出水のたびに洪水の被害を認め、住民たちは、それを最小限にするようにして住み続ける知恵を生み出したのです。それが不連続堤による遊水地へ洪水を導入する方式の「霞」の誕生でした。その始まりは、各村々が集落単位で小堤を作り、その境界部に広がる低位の水田部分を遊水地として「霞」と呼び、洪水と共存する知恵の体制を作ったのです。なお「霞」は庭づくりにみられる小山や池の曲線美の世界であり、下流の沖積低地で蛇行して曲流する豊川ならではの呼称です。
近年、下流域では、このような条件を知らずに、土盛もせず住宅を建設するケースも見られます。先人たちの知恵を学んでほしいところです。

日程

2023年03月11日 (土)16:10~17:10

15:50開場

場所 穂の国とよはし芸術劇場PLAT 創造活動室A
講師 藤田佳久(愛知大学 名誉教授)
参加費 無料
対象 どなたでも
募集人数 先着50名
締切り 2023年2月28日(火)
申込み方法 FAX 0532-55-0803
チラシ裏面に必要事項を記入の上、お送りください。
お問い合わせ 第33回日本医学看護学教育学会学術学会事務局 igaku-kango2022@sozo.ac.jp
備考 主催:日本医学看護学教育学会
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