現代フランス演劇界を牽引する稀代の劇作家フロリアン・ゼレール『La Mère 母』の日本初演
そして世界13か国以上で上演され、映画化もされた傑作『Le Fils 息子』が待望の再演!
『La Mère 母』は、ゼレールが『Le Père 父』、『Le Fils 息子』の執筆に先立って、彼が31歳の時に3部作の最初に書いた作品です。2010年に本国パリで初演され、その後、さまざまな国での上演を経て、最近ではフランスが誇る名女優イザベル・ユペールの主演でブロードウェイでも上演されて大きな話題となりました。
『Le Fils 息子』は、フランス演劇界で最高の栄誉とされるモリエール賞を受賞するなど高い評価を受け、ロンドンのウエストランドなど世界13か国以上で上演されました。22年にはハリウッドでゼレール自身の監督によりヒュー・ジャックマン、ローラ・ダーンの出演で映画化、23年に日本でも公開されました。
演出は、緻密に人間の本質を描き出す演出力に定評のあるラディスラス・ショラー。フランスオリジナル版も手掛け、19年に東京芸術劇場ほかで上演された『Le Père 父』、21年の『Le Fils 息子』で演出を務めたショラーは、家庭内で起こるメンタルな病の諸相に新たな視点で迫り、話題となりました。シビアな現実を描きながらも、洗練されたスタイリッシュなステージを創造するショラーが日本人の実力派キャストと・スタッフとタッグを組んで、どのように表現するのか、ぜひご期待ください。
関連企画|プレトーク
本作品の演出助手・ドラマターグを務める下平慶祐さんをお招きしてプレトークを開催します。稽古場をはじめとする創作過程や、演出助手およびドラマターグの仕事について語っていただきます。チケットの有無を問わず、どなたでもご参加いただけます。【日時】6月8日(土)13:00~15:00
【場所】PLAT 研修室(大)
【申込】4月16日(火)10:00~ プラットチケットセンター電話もしくはWEB申込み ※事前申込制(先着順) 申込み・詳細はこちら
STORY
<La Mère(ラ・メール) 母>アンヌはこれまで自分のすべてを捧げて愛する子どもたちのため、夫のためにと家庭を第一に考えて生きてきた。それはアンヌにとってかけがえのない悦びで至福の時間であった。そして年月が過ぎ、子どもたちは成長して彼女のもとから巣立っていってしまった。息子も娘も、そして今度は夫までも去ろうとしている。家庭という小さな世界の中で、四方八方から逃げ惑う彼女はそこには自分ひとりしかいないことに気づく。母は悪夢の中で幸せだった日々を思い出して心の万華鏡を回し続ける――。
<Le Fils(ル・フィス) 息子>
両親の離婚後、学校にも登校せず一日中独り行くあてもなく過ごしていたニコラは、とうとう学校を退学になってしまう。そんなニコラの様子を聞いた父親ピエールは、離婚・再婚後、初めて息子と正面から向き合おうとする。生活環境を変えることが、唯一自分を救う方法だと思えたニコラは、父親と再婚相手、そして年の離れた小さな弟と一緒に暮らしはじめるのだが、そこでも自分の居場所を見つけられずにいた。