栄誉ある英国のワールドミュージックの賞SONGLINES MUSIC AWARDS“2018年度の最優秀グループ”賞を受賞したイタリア半島のかかと部分、プーリア州出身のグループ "カンツォニエーレ・グレカニコ・サレンティーノ" による南イタリアの伝統音楽&舞踊によるコンサートをお届けします。
熱狂と陶酔の“毒グモの舞”
毒グモのタランチュラに嚙まれた人が激しく踊って汗と共に毒を輩出するためのダンス音楽だというタランテッラは、南イタリア各地で古来より継承されてきた伝統音楽(音楽と踊り)だ。タンブレッロ(大型タンバリン)やアコーディオン、ヴァイオリンなどによる3連譜の急速なビートに乗ってダンサーが一心不乱に踊り続ける様は、まさに“毒グモの舞い”である。このタランテッラの原型が、イタリア半島のかかと部分にあたるプーリア州の伝統芸能タランテッラ(ピッツィカ)だが、カンツォニエーレ・グレカニコ・サレンティーノこそはその第一人者として、長年、世界中で活躍してきたタランテッラ(ピッツィカ)大使なのだ。地中海の十字路プーリアで堆積/混交した様々な文化の血と記憶を現代によみがえらせる熱狂と法悦のスペクタクルにようこそ! 松山晋也(音楽評論家)