恍惚と恐怖の狭間に揺れる無限のラビリンス
前作『ファーザー』(日本公演2017年)、次回作『チャイルド』と併せ、ピーピング・トム《家族三部作》のうちの第2弾です。
美術館とも、病院とも、葬儀場とも、またはいつ訪れたかも知れぬ邸宅ともつかぬ場所に集まる人々 。
それぞれの登場人物が抱く、憂いや悲しみ、慶びやユーモア、さまざまな感情が、やがてひとつのゆるぎない母親像となって人々の胸を打ちます。
そして卓越した身体能力を持ったダンサーたちの目を疑うようなステージは、ダンスや、演劇などという既存のカテゴリーを払拭し、私たちを新たな創造の世界へと誘います。
前作『ファーザー』同様、本作『マザー』のもうひとつの見どころは、上演される各劇場で集められる一般市民が現地キャストとして参加し、カンパニーとともに各地で作り出す新時代の国際共同制作であること。
PLATで2017年以来再び立ち上がる新鮮でパラドクサルなステージは、ダンスや演劇といったジャンルを超越した、これまでの舞台にないスリリングな感動を呼び覚まします。ぜひご期待ください。
ピーピング・トム『マザー』トレーラー
『ファーザー/Vader』(2014年)
掲載記事 2023/01/25New!
・CINRA「異常な身体能力のダンサーが集うピーピング・トムが来日。白井晃×橋本ロマンスが魅力を語る」2021年度「ダンス・レジデンス」レジデンスアーティストの伊藤郁女さんによる推薦コメントあり。詳細はこちら
シニアキャスト募集について(2022/10/31)
ピーピング・トム『マザー』に出演するシニアキャストを募集します。詳細はこちら。【締切】2023年1月15日(日) ※受付終了しました
関連企画・プレトーク&過去作品紹介(2022/10/31)
2023年1月15日(日)に、プレトークおよびピーピング・トムの『ファーザー』ツアーを追ったドキュメンタリー上映会をおこないます。2月8日(水)にはカンパニーの過去作品を振り返るために紹介します。
詳細・申込みはこちら
関連企画・ワークショップ 2022/12/06New!
2月21日(火)に、『マザー』出演パフォーマーによるワークショップをおこないます。詳細・申込みはこちら
<ピーピング・トム>
ベルギーを代表するダンスカンパニーLes Ballets C. de la B.の中心メンバーとして活躍してきたガブリエラ・カリーソと、フランク・シャルティエによって1999年に結成される。未知なるダンスの創造を目指してカンパニーを「ピーピング・トム=覗き屋」と命名。代表作に、トリロジー【『Le Jardin』(01)、『Le Salon』(04)、『Le Sous Sol/土の下』(07)】、『ヴァンデンブランデン通り32番地』(09)、『Vader/ファーザー』(14)がある。ダンサー、俳優、オペラ歌手ら、異なる背景を持ったアーティストが生みだす、強烈な個性を放つ驚異のパフォーマンスは、伝説の舞台としてダンス史にその名を刻むとともに、現代のピナ・バウシュと称される程。あまりの人気ぶりに、いま最もブッキングが難しいカンパニーとして、世界の劇場がウェイティングリストに名を連ねる。これは演劇なのか?ダンスなのか?もはやそんなカテゴライズは彼らには一切通用しない。最も過酷な場面でさえ、悲しみ、愛情、美しさに満ちたエモーショナルなステージ、確かなテクニックとユーモラスでアクロバティックなムーブメントは、他の追従を許さない独創的なスタイルを生み、全く新しいジャンルの舞台としてその名をとどろかせている。近年では、NDTに振付た『TRIPTYCH』(20)のカンパニーオリジナル版をパリ・オペラ座などで上演する他、ヘンリー・パーセルのオペラ『ディドとエネアス』(21)の演出を手掛ける。
主な受賞歴
2021年 FEDORA-ヴァン クリーフ&アーペル バレエ賞
2018年 第19回バリャドリッド(スペイン)国際演劇フェスティバル「最優秀舞台作品賞」
2015年 英・ローレンス・オリヴィエ賞「最優秀ダンス作品賞」(『ヴァンデンブランデン通り32番地』)
2015年 オランダ、ベルギーで上演された最も優れた作品に贈られる、「シアターフェスティバル2015セレクション」プログラム(『ファーザー』)
2015年 バルセロナ批評家協会「最優秀海外ダンス作品賞」(『ファーザー』) ほか多数