実在する、
しかもそれは日本人だ。
「ドミノ幻想」
世界はある特定の人間を中心にして回っているとする考え。その人間の願ったことは必ず叶う。願った瞬間にドミノが倒れ、結果に向かって進んでいく。周囲はそれに合わせて調整される。また、ドミノは思いの強さに比例し、スピードを上げる。最も速いものは「ドミノ一個」と呼ばれ、願った瞬間に結果が現れる。それは俗に「奇跡」と呼ばれる。なお、ドミノの力は期間限定である、ランダムに移っていき、誰に備わっているのか判定することは難しい。当然本人にも自覚は無い。
この物語に続きがあるとしたら、派手なスーパーヒーロー物になるだろうなと、ずっと妄想してきた。
2022年版「関数ドミノ」は、スーパーヒーローのエピソードゼロとして、語り直してみようと思う。(前川知大)
2022年版「関数ドミノ」は、スーパーヒーローのエピソードゼロとして、語り直してみようと思う。(前川知大)
Introduction
ある地方都市で奇妙な交通事故が起こる。
見渡しの悪い交差点、車の運転手は歩行者を発見するが、既に停止できる距離ではない。
しかし車は歩行者の数センチ手前で、まるで透明な壁に衝突するように大破した。
歩行者は無傷。幸い運転手は軽傷だったが、助手席の同乗者は重傷。目撃者は六人。
保険調査員の横道はこの不可解な事故の再調査を依頼される。
改めて当事者と目撃者が集められた。
そこで目撃者の一人が、これはある特別な人間「ドミノ」が起こした奇跡であると主張する。
彼の発言は荒唐無稽なものだったが、次第にその考えを裏付けるような出来事が起こっていく―。
トークイベント開催!6月3日 (金)18:00~
会場:豊橋市まちなか図書館 事前申し込み不要
ぷらっとおしゃべり
イキウメ『関数ドミノ』プレトーク ~小説の世界×演劇の世界~